14. 原因不明の腰痛 30代男性

主 訴:腰痛

経 過
半年前(5月)、急に腰に痛みが起きる。歩く、仰向けで寝る、寝返りをする動作で痛みが強くなる。
5年前と2年前に背筋を痛めたとき鍼灸治療を受けてよくなったので今回も治療してもらうが変化がなかった。

この頃、整形外科で検査を受けたが レントゲン、CT、MRともに異常がなかったので、近くのカイロプラクティックへ週に2回の頻度で通い痛みが改善する。 

筋力不足を改善するために1週間前から自転車を乗るようにしてから、また腰に痛みが起きたのでカイロプラクティックで施術を受けたが今回は改善が見られない。

所 見
西洋医学的診断では
腰に関係する可動、反射では問題なし。ただし、状態をもとに戻すときに腰に痛みが起きる。
脚の左右差1センチあり。

東洋医学的診断では肝脾不調証。

施術方針
腰椎下部の椎間関節の炎症緩和、骨盤の歪みの改善、肝の気の流れを良くし脾を補う。

施 術
初診日(H24年11月19日)施術後腰椎下部にテーピング。 治療後は腰が楽になったが重い感じがある。

2回目(11/22) 9割楽になる。

3回目(11/24) 2~3週間前から左目のまぶたが痙攣するので、その施術も追加する。

4回目(12/1) 昨夜から左臀部が歩くと痛みあり。まぶたの痙攣は回数が減る。

5回目(12/3) 左臀部の痛みは5割程度改善、まぶたの痙攣は殆どない。

6回目(12/25) 左臀部は改善したが右の臀部にズーンとする痛みが起きる。

7回目(12/29) 26日出張で車後部座席に半日座っていたら 車から降りる時に右臀部が痛くなり、それから歩くのも寝返りもかなり痛い。

8回目(1/5)  年始から徐々に腰痛は楽になる。 歩行痛なし、寝返りの痛みも殆どない。

9回目(1/9)痛みは全くないが、かがむ時に不安感がある。

10回目(1/16) 左右交互に臀部の突っ張り感がある。背筋に痛みが起こりそう。

10回目施術以後よくなります。

また春頃、腰痛が起きます。
1回目(4/3) 全身の疲れと腰痛。胃痛もあり。

2回目(4/11) 右側の腰から臀部にかけて肉離れが起きそうな感じ。疲れてくると動悸が起きる。胃痛は楽になる。

3回目(4/17) 今は疲れはないが、疲れてくると右腰に刺すような痛みが起きる。

3回目施術以後改善。
再度疲れ、ふらつき、食後の胃痛が起きたり、また暫くして腰痛、臀部痛が起き、 H26年12月まで春と秋に来院。以降ひどい腰痛は起きていないとのこと。

また、この方は以前から歩くとき、脚の左右差の違和感を感じていたがそれもなくなったとのこと。

余 談
5年前も2年前も背筋の痛みが春先に起き、今回も半年前の5月にぎっくり腰になりました。

東洋医学では春と最も深い五臓六腑は肝です。
肝と関係のあるものに筋があります。 肝の栄養不足が起きると筋肉が引きつりやすくなります。この栄養不足も脾(消化器系)の状態が悪いと起こりやすくなります。この方は当院へ来る前からまぶたの痙攣があったので、また東洋医学のおもしろさを感じました。ちなみに、五輪学説という目の部位に五臓六腑が相当する学説があり、 まぶたは脾に該当します。 このことからも、まぶたが痙攣した事のつながりを感じます。