18-2. 腰痛、臀部のこり 20代女性

19.腰痛、臀部のこりの続き

6回目(5/14)今回は体調があまりよくない。今日で抗がん剤6日目、いつもは動悸が強くなるが今回は体のダルミが強い。脈診舌診も初回のときより悪い。
右臀部が引っかかる感じがある。
血圧90/70
鍼を打ち始めると時計回りに体の中がぐるぐる回る感じがあり、施術後も少し残っていると言っていました。

ここから新しい施術になるため回数をリセットします。

1回目(5/17) 血液検査の結果が非常に悪かった。本格的に胃がんに対する施術を開始するとの事。
血圧:95/65。ただ、5月16日(表1参照)の抗がん剤後の白血球の数値が悪すぎるので自助回復には時間が必要と思いました。
つまり白血球を作る骨髄自体(血球をつくる機能)が非常に弱っている可能性があると思ったからです。

2回目(5/20) 体のダルミは減る。気持ち悪くフラフラする。甘いものを食べると動悸が起きる。これは胃切除してからとの事。
血圧:100/50

今日から気功を始める。気功をしているときも体の中で時計回りに回る感覚があると言っていました。

3回目(5/24) おととい抗がん治療終了。気持ち悪い、ダルミ、フラフラ感はなし。

但し、食後の動悸はしやすい。血圧:100/50

4回目(5/27) 昨日から食後の動悸がない。今朝土踏まず辺りと掌に電気が走るようなビリビリ感が起きる。
患者さん曰く気功のビリビリ感に似ているとの事。血圧95/65

5回目(5/31) 動悸は殆どしない、手足の指先に痺れ感あり。血圧110/70

6回目(6/3) 体調が良い。甘いものを食べても動悸がしない。

6月6日  抗がん治療開始。今までは2種類のをしていましたが、副作用が強くあまり効果を感じられなかった事からその薬はやめて他の1種類のみの服用。

7回目(6/10) チャーガという自然食品を追加で摂るとのこと。

8回目(6/14) 時に吐き気があり、動悸は少しある。

以降は施術を中止しています。
6月6日の血液検査の結果があまり芳しくなかったので、免疫療法という治療を受ける事になりました。
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結 語
患者さんが鍼を打つと時計回りに体の中が回ると言っていました。
この出来事は私も初めて聞きました。
ただ私がよく使う鍼の手技で補うときは時計回りに鍼を動かします。
☆説明☆
手技:鍼をある方向へ動かして補瀉を行う行為。
   補瀉:補とは補うことをいう、瀉とは悪いものと取り除くことをいう。

なので、この方はとても弱っているときに感じているので補法の効果があったと思います。

表を見て思ったのが、はり灸治療を受けているときは数値がよかったと思います。
特に4月11日のCEA(胃がんの腫瘍マーカー)の値も一番低かったです。

ただ、施術を3週間空けてから数値が悪くなったと思うので、
(漢方はずっと服用していたとのことです。)
私個人としてはやはり鍼灸の効果は胃がんに対してあったと思います。

がん患者さんには5年間肉を断つ事と砂糖系の甘いものは控え、海草類、茸、野菜、果物などを多く摂る事を言っています。

この方にも言うと、甘いもの、肉を食べられるようになったと言うようになって却って張り合うようにより一層食べるようになったのでそれ以降は言いませんでした。

もちろん、この方は胃の切除をしているので栄養不足の関係で難しいと思うのでできるだけと言ってありました。

なぜ食事のことを言うかというと、
5年間に肉を断つと再発が低い。
酸性に傾くとガンになりやすい。
砂糖は交感神経を活性化する。(説明:交感神経が活発だとがん体質になりやすい。)
海草類、茸、野菜、果物はアルカリ性。

と以上の事から助言しています。