19-2. 加齢黄斑変性症 結語
上晴明、球後について
このツボは血管豊富な眼球沿いに鍼を刺すので出血する事はあります。
ただ、留学先の先生から聞いた話によるとここが出血して目が腫れ、腫れが引くと病気が治るというのです。
この話は他の先生からも聞きました。
ですから、今回患者さんが出血を起こしたときに『もしかしたら治るかも?』と淡い期待を持ちましたが、腫れが引いた時点では状態は変わりませんでした。
しかしこの日を境に3ヶ月毎の眼科検診で4月の検診(出血後1回目)で隙間が明らかに狭くなり、7月の検診(出血後2回目)では隙間が全くなくなったということからこのツボによる出血はよい影響をもたらす可能性があると思います。
また、患者さんの来院目的はこれ以上悪化しないためでした。私は治癒を目的に施術をしました。誰もが、鍼灸で網膜の隙間が閉じるとは思わないと思います。私も自信があったのではなく可能性があったから一生懸命施術しました。
結果は良い結果になりました。
私の信条はやってみないと分からないという事です。
医者に『年だから』とか、『治療の方法がないから』と理由を付けて病気を放置したままにされている患者さんが沢山います。
実際に鍼灸治療をすると医者から治らないと断言された病が治っています。本当にこれ以上やる事がないという事までしたのか疑問です。あらゆる全ての事をして治らないなら納得がいきますが、思い込みで判断している気がします。
もちろん患者さん自身も思い込んでいる方がいます。
おもしろい例として
ある若い女性が頭痛、吐き気に悩まされていました。その女性は大学病院で原因不明の難病といわれ血流を良くする薬を処方されていました。
彼女自身も病気は難病で突然襲ってくる頭痛と吐き気に一生つき合っていかないといけないと私にこぼしました。私はその話をきいて彼女の首~肩を見てみると、なで肩で筋肉がパンパンに張っていました。なので体操するといいと教え、半信半疑ながらも彼女は実践しました。すると頭痛、吐き気から解放されました。