36. 背中の痛み 50代女性

主訴:座っていると背中がカチカチに凝ってくる

その他:足の冷えとむくみ

経 過
10年前から徐々に感じるようになる。週に1回マッサージを受けるようになってからは初めの頃よりは軽くなっている。
最近、食欲も落ちてきて、健康に対して関心を持つようになってきた。以前から鍼灸に興味があったので、今回受けることにしたとのこと。

所 見
東洋医学的所見:気陰両虚
西洋医学的所見:腰椎と仙骨の歪み 盆地のように凹んだ状態でした。座っているとお腹を丸める感じで座る。
背中の緊張あり
腰前屈:膝裏のつっぱり感、痛み
腰後屈:腰椎下部の痛み

施術方針
まずは体質改善よりも歪みが酷かったので、歪みの改善を重視しました。
下半身中心の施術にしました。

施術間隔は週に1回です。
施術翌日
 座った時の『背中の痛みがなくて軽い感じ』とのこと。その代わり、長時間座っていると『腰から尾てい骨あたりが痛い』ということでした。
 患者さんに「骨盤のズレのせいかな?」と聞かれました。

 これは、骨盤の角度が変わったせいだと思います。

 所見では腰から仙骨にかけてかなり悪かったので、日頃、座る時はその部分を庇う(なるべく体重がかからない姿勢)ために背中に力(重心を取るため)が入ったり、背中に負担(背筋を引っ張る)がかかる姿勢になっていたと思います。

 つまり、腰から仙骨に体重がかからないような姿勢になり、そのため、お腹を丸めるような座り方になっていたと思います。

 今回、施術によって、腰から仙骨部の炎症が軽減したため、体重をかける姿勢になれたと思います。その結果、背中は楽だが、腰から尾てい骨にかけて痛みが出るということになったのではないかと思います。

施術2回目
 所見:脈は前回より取りやすく、舌診も剥がれていた箇所が修復されていました。施術後は前屈も後屈も少し気になる程度。
 座り方も猫背がかなり良くなっていました。足の冷たさも少し良くなっていましたが、患者さんは自覚はありませんでした。

 患者さん:背中は楽、腰から尾てい骨が痛い。施術初回から2回目の間、歩くとき足裏の指の付け根がよく攣(つ)ったということです。前も攣(つ)る事はあったそうですが、今回は多かったそうです。便の形状がコロコロから棒状になったとのこと。

施術3回目
 所見:脈は弱く遅くなっていました。舌診も赤みが取れて、アレルギーの時に出る所見が見られました。患者さんに聞きましたが、これといって変わったことはしていないし、食べてもいないとのことです。

 患者さん:背中は楽、腰から尾てい骨の痛みもなし。前回から歩いた時の足裏の攣(つ)りはなかったということでした。ただ、便通はあまり良くなく形状はまたコロコロだったとのことです。

 それから1ヶ月後、風邪の後遺症で体がだるいということで来院。背中はそれほど気にならないとのことでした。施術後、体が楽になり調子が良くなったと喜んでいました。