鎮痛効果:帯状疱疹
帯状疱疹の痛み:
鍼灸の得意分野で鎮痛効果があります。今回は最も激痛と言われる帯状疱疹の鎮痛効果についてです。
日本では帯状疱疹は皮膚科で治療を受けます。しかし、鍼灸治療でも劇的な効果が期待できます。
中国では帯状疱疹の治療で鍼灸治療に来る方が日本より圧倒的に多いです。私が中国で見た方は殆ど紅斑ができている状態で来る方が多かったので痛みが出てから数日経っていると思います。日本では帯状疱疹にかかった人の中には、なかなか治りにくく、治ったあとでも痛みが残る帯状疱疹後神経痛に悩まされる人もいます。
中国の場合、帯状疱疹の鍼灸治療後、すぐに痛みがほぼなくなります。しかし、また翌日には痛みが出てくるので治療をします。だいたい3日目から痛みは落ち着いてくるようです。中国では治療は毎日続けるのが基本なので、帯状疱疹の治療も毎日続けます。早い人では7回くらいでよくなります。痛みが気にならなくなるのは3回目くらいからですが、そこでやめてしまうとまた痛みが出てくるので、痛みがなくなっても暫く治療は続けることになります。
中国で見た帯状疱疹の患者さんは痛みが全く残っていないので、留学中は帯状疱疹後神経痛の人を見たことがありませんでした。日本では帯状疱疹後神経痛で悩まされている人は、殆ど治療効果がなくその痛みのまま延々と過ごしている方がいます。
最終的にペインクリニックへ通院し、神経ブロックをしても痛みは治まらず、医者には治らないと断言されるのが現状のようです。そして数年経った頃に痛みに耐えきれず鍼灸治療を受けるというパターンになりますが、その頃には患部の組織自体も変化を起こしているのでかなり難しいです。難しい理由はなかなか改善しにくいのと、施術をして行く過程で悪化する症状が出ることがあるからです。
全てにおいてですが、急性期に鍼灸治療すればかなりの確率で早く改善されます。しかし、慢性の状態が長いほど改善しにくく、施術の過程で症状が悪化(負担箇所が変わったり、患者さん自身が良くなったと錯覚し、普段ならしない動作をして悪化するというパターン)することが出てきます。
また、慢性病が良くなりにくい原因に脳が関係しているとも言われます。長い間の記憶が脳に刻まれ、良くなっていても脳自体が受け入れない場合に痛みの記憶が残ってしまうということです。