41. お尻(坐骨)の痛み:30代女性

左坐骨の痛み:筋肉性


経 過
 2〜3日前から、徐々に左坐骨に痛みを感じる。立つ、座る、歩くなど全ての動作で痛む。
 直前は寝ていても痛みを感じ睡眠不足。

所 見
 ・脚の挙上で坐骨に痛みが起きる。坐骨周囲の筋肉に著名な圧痛。前屈・後屈で左へ倒れる癖がある。
 ・左右の股関節の可動にも偏りがある。 
 ・膝蓋腱反射は左が少し弱い。

 東洋医学的所見は痛みが強く出ていて、気の巡りが悪く、心がかなり疲労しているのと腎も弱っていました。
 股関節も炎症の所見がありました。
 ※・心は東洋医学では心臓を指すこともありますが、睡眠や精神面も指します。
  この方の場合は睡眠不足の影響もあったと思います。
   脈を見たとき不整脈に近い状態(所々ふっと消えていく感じ)でした。

  ・腎は東洋医学では腎臓を指すこともありますが、腰や立つ動作も指すので、
  この方の場合は腰を選びました。

施術方針
 骨盤のバランスを整えて、左坐骨から太ももの裏側の筋肉張りを緩める。 

 東洋医学方面では、気の巡りを良くしてし心と腎を補う。
 
施術後
 初回鍼灸治療後はほとんど痛みが無くなる。歩く時に若干痛みが出る。3回ほど通っていただいて坐骨の痛みはほとんどなくなった様でした。

結 語
 この方は筋肉のコリによって症状が強く現れたのですが、筋肉性の痛みは比較的早くとれます。痛みがなくなったのと多忙ということから、治療を中断してしまったのですが、正直なところまだまだ良くなっていないので継続して欲しかったのが私の感想です。

 私がよく言っている『痛くないから治ったとは限らない』です。結局、中途半端に鍼灸治療してしまうと、後々回復力が悪くなってしまうことが多いので、せっかくなのだから、ちゃんと続けて良くなっていって欲しいのが正直な気持ちです。

 本当に良くなるまで鍼灸を受けた方は、傷めにくくなりますし、傷めたとしても鍼灸治療をするとすぐに良くなります。逆に痛みが取れたからといって、すぐやめてしまう人はそのご傷めやすく、傷め痛たときは前回良くなった日数よりかかります。この点が良くした人と、中途半端でやめてしまった人の大きな違いだと思います。

 あと、もう一つ大きな違いはだいたい70歳を過ぎた頃に、若いときに傷めた傷の影響が出てきます。この頃に出た症状はなかなか良くならないことが多いです。ちゃんと傷めた頃に良くした方はそれほど影響は出てこないという感想です。先ほども書いたように出たとしてもすぐに鍼灸治療をすれば良くなります。

 人それぞれなので、その方の考えを尊重しますが、良くなったと勘違いする方もいるので、あえてクドイくらい言ってしまいます。