21. お尻と脚の痛み 40代女性

主訴:左側のお尻の横、左脚の痛み

その他:左後頭部から左背中上部の痛み、左腕のだるみ、左目痛、左コメカミの頭痛、。不眠。 
既往歴:子供の頃に左腕骨折             
(参)患者さんの声「21.左脚の痛み」の症例です。

経 過
平成26年1月頃、起床時にくしゃみをしてギックリ腰になる。病院でMR検査によりヘルニアと診断され、痛み止めを処方される。痛みを我慢しながら動くようにした。
平成26年3月頃から急に左お尻の横、左脚に痛みが出る。歩く時も左脚を引きずるようになり、階段も体を横歩きのようにしないと上り下りができない。寝ていてもジンジンと痛む。

また、左後頭部から左背中の上部の痛み、左腕のだるみ、左目痛、頭痛も同じくらい辛いとのこと。この症状は10年前バレーボールで転んで首も強く打ってから出始めたということで、一日中辛いということでした。

※補足
患者さんの声「21.左脚の痛み」は平成25年1月と書いてありますが、初診日は平成26年9月30日で、問診にはギックリ腰の発症が今年1月と記載されているのでそれぞれ平成26年1月、3月と記載しました。

所 見 
下半身
反射:アキレス腱反射減弱、
可動テストでは股関節よりも骨盤関連の異常が強く見られる。

上半身
反射:異常なし
可動テスト:前屈で異常感あり
スパーリングテスト:左顕著但し、神経症状ではなく上部頸椎関節。

施 術 
初診日平成26年9月30日
施術後体がスッキキリして、睡眠も良かった。

2回目(10月4日)寝ている時の痛みが減り、睡眠も良い。

3回目(10月6日)施術後頭痛が起きるが暫くすると治まる。

4回目(10月9日)施術後の頭痛なし、左腕のだるみも減る。
下半身の痛み1割減る。

翌年1月まで週に2回の間隔で来院。ときに整体も加えました。
12月の頃は左上肢、左下肢の状態は良くなっていました。
問診でペインスケール(痛みの度合い)を聞くと3になっていました。初診のときは8~9でした。

が、1月末に転んで左膝を打ってからまた左下肢が痛み始め、左上肢も症状が強く出てきました。
施術後楽になるも、辛いと訴える時もありました。

2月からは1週間、2週間と間隔が空いてからみえていません。

結 語 
仙腸関節(骨盤の関節)はとてもデリケートな関節です。
少しバランスが崩れただけでも痛みや力が抜けるような症状が出ます。
ですから、施術も難しく、改善しにくいです。

しかし、何かの拍子であれっ?と思うくらい辛かった症状が急になくなってしまうのもこの関節の特徴です。
逆に痛みがないと喜んでいるとまた何かの拍子で悪化します。

またこの仙腸関節を悪くしていると泌尿器系と生殖器系の病気を引き起こします。例えば女性なら子宮筋腫、月経痛、頻尿という症状です。

この方の仙腸関節を触診したとき、とてもバランスが悪く関節自体が異常に変形していました。
ギックリ腰をするまで何も症状がなかったのが不思議なくらいです。今まで何もなかったのはもしかしたらバレボールによって骨盤周りの筋肉が強化されていたお陰かもしれないです。

この方の起床時のくしゃみによるギックリ腰も普段から骨盤や腰が悪くなければ起きない症状です。

仙腸関節が悪い人は何かの動作をしたときに痛めることが多いです。
一番多いのは起床後の動作で靴下をはくとき、引出しや物をとるときなど手を伸ばしたときの様なほんのちょっとしたことでギクッと腰を痛めます。

仙腸関節から腰を悪くしている人も同様のことが起きやすいです。

対策としては起きる前に布団の中で軽く腰回りのストレッチをしてからゆっくり起きるとギックリ腰予防になります。
また起床時のギックリ腰の起きやすい時期(過労を除いて)は明らかに冬の時期です。
冬の起床時は特に気をつけて起きるようにしましょう。