31. 右腰の痛み 60代女性
主訴:右骨盤外側(臀部)の痛み
現病歴:高血圧症、高脂血症
既往歴:右ひざ関節炎で手術、脳動脈瘤
経 過
3日前シーズ犬の世話で抱いたあと右腰臀部に痛みが起きてから 徐々に痛みがひどくなる。今までに感じた事のない痛み。
所 見
前屈痛少しあり、側屈痛:右少し鈍痛あり、左は少し張る感じ
反射テスト:右-異常なし、左-異常あり
右中殿筋硬結あり、最初の問診のときに柔らかめの椅子に座ると腰の背筋が痛くて座れない。
鍼灸治療
初回(1/27) 背筋と骨盤周りの血行を良くする施術。
問診のときに患者さんは疲れやすく発熱しやすいという事でしたので刺激は軽めにしました。
2回目(2/5) 前回、施術後はだるみが少しあり。翌朝から右腰臀部の痛みはない。左腰も悪いので今回から左腰の施術をすることになる。
結 語
今回の右臀部の痛みは筋肉による痛みと思います。 この場合は比較的早く治ります。 ただ刺激の仕方によっては悪化する事もあるので注意が必要です。
この方は痛み止めを服用する癖があるのが心配です。 特に頭痛の服用が主のようです。 (※施術過程で頭痛は減りました。)
私の考えは痛み止めは理由によって服用してもいいと思いますが、 ただ痛みの理由が分からずに服用するのは良くないと思っています。
例えば抜歯後や手術後の痛み、 三叉神経痛の理由が血管の刺激によるものの場等、明らかに痛みの原因、所在が分かっている場合です。
この方のように頭痛をただ抑えているだけの場合、 脳血管の圧迫などが潜んでいる可能性があります。 もし痛み止めを飲まなければ痛みで動けず脳内圧もかかりません。しかし痛み止めを飲んでいると平気で動いてしまいます。
そんな時、惨事が起こりやすいです。
痛みは決して悪いものではないです。 痛みは『悪いことが起きている事を知らせ』てくれています。
その知らせを受け止めて 早く対処する事が惨事を避ける唯一の方法です。