39. 脳梗塞の後遺症:70代男性
肩の痛みがつらい:
経 過
脳梗塞を発症してから右首から右肩が痛い。特に右肩がひどく痛む。整形外科へ3年間ほぼ毎日通院したが、徐々に悪くなり我慢できないほどの痛みに変わった。
所 見
首や肩はあまり動かせない状態。筋肉は硬く張っている。
施術方針
鍼灸を怖がっていたので、局所の鍼灸治療。
施術後
施術後、すぐに楽になってとても喜んでいました。2日後に来て施術した後は、ほとんど痛みがなくなりました。
結 語
この方は、とても早く改善しましました。通常、脳梗塞や脳出血が起きてから半年経つと鍼灸の治療効果はあまりないと言われていましたが、実際はそうではないことがよくあります。
また、この方は脳梗塞の後遺症で、歩くときはどうしても左へ傾いてしまうので、壁にぶつかりやすいと言っていました。しかし、2回の鍼灸治療でまっすぐに歩けるようになったのは私もびっくりしました。(※以前、症例で書いた『小刻み歩行』の方も数回の灸で歩行が改善しました。)
私なりに考えたのは、脳梗塞の後遺症で、右側のコントロールができないため、左へ傾きやすくなり、また、左へ傾くから右でバランスを取ろうとしようとしてもコントロールできないので余計、右側は力みやすくなり筋肉が硬くなり血行も悪くなて痛みが起きたのではないかと思いました。
皮膚の刺激は脳への刺激にもなりますので、鍼灸の刺激によって、右側のコントロールがしやすくなり、また筋肉自体の血行も良くなったので、改善が早かったのではないかと思います。
余談ですが、この方は紹介された時は実費は高いと言って断ったのですが、さすがに我慢できなかったようで紹介した方に自分から聞いて進んで施術所へ来られました。そして、なんと!チップも置いていかれました。