4. 膝の痛み 70代女性
主 訴:左膝の内側と外側の痛み
70歳女性
身長:151㎝
体重:50kg
経 過
20日前、自宅で転んで左膝頭を打つ。外傷当時は膝をつくことができなかったが、数日後できるようになる。
しかし、30分座位の状態から歩き出すときに左膝がキヤッという痛みが走るようになる。
病院にて膝の軟骨が減っていると言われ注射をするが、かえって痛みが増す。
ほかの病院でも同様の診断と治療を受け、現在は整形外科でリハビリを受けているが、改善は見られない。
10日ほど前から徐々に熱感と腫れが出て来た。歩くときの左膝の内側と外側の痛みが強くなってきた。
前回の「症例:膝の不安定感」の患者さんから当院の紹介を受けて来院。
所 見
膝蓋跳動テスト:左ー少し陽性。
膝蓋圧迫テスト:左ー少し陽性。
圧痛:左大腿外側広筋下部顕著、左大腿内側広筋下部顕著
熱感と腫れ:左大腿外側広筋下部顕著、
左大腿内側広筋下部顕著。膝の裏も顕著。
※用語説明
膝蓋とは膝頭のことを指します。
膝蓋跳動は水がたまっているかを診るテストで
膝蓋圧迫テストは膝蓋の裏の状態を診るテストです。
大腿外側広筋とは太ももの『外側』の筋肉です。
大腿内側広筋とは太ももの『内側』の筋肉です。
印 象:筋炎。
鍼灸治療
1回目(1日目)
施術方針は炎症を鎮めることに重点をおきました。
また自宅でのアイシングを指導しました。
2回目(4日目)
朝から痛みが楽になり歩くのが楽。患部の熱感と腫れは半減。圧痛も左大腿外側広筋下部のみ。
3回目(6日目)
家族に歩いた方がいいと言われ、長い時間歩いたらまた痛みが出て来た。
圧痛は左大腿外側広筋下部と左膝蓋の内側下部。
注意:筋炎が起きている場合は炎症が治まるまでは長時間は歩かない方がいいです。
4回目(8日目)
歩くときに膝の裏がキヤッとすることがある。主訴の歩くときの痛みはないが左大腿外側広筋の圧痛は少しある。
患者さんはこのあと旅行に行っている為、太ももの筋肉をトレーニングするように指導炎症が治まっていれば歩くように指導をしました。
※主訴の痛みがなくなったので症例はここまでの記載で終了します。