59. 起立性調節障害:OD

主訴:頭痛、目の奥の痛み、首・肩こり 10代

経過
 3年前、突然、朝に体がだるくて起きられない状態になる。前日までは元気に運動もしていた。病院へ行くと問診等で起立性調節障害と診断され処方されたが一向に良くならない。その後、病院を変え検査を受けると、鉄分が不足ということが分かり処方してもらうと、通常の生活はできるようになるが、起床時の頭痛、目の奥の痛みと一日中首・肩こりがある。

所見: 
東洋医学的所見:
  ・肺虚、肝気鬱滞、腎虚
西洋医学的所見:
 ・首の前屈で肩甲骨に痛み。 
 ・首の右側屈で左肩が上がる。
 ・腕の神経反射は左右とも減弱。

その他:手足の冷えと汗、特に足は真夏というのに冷凍庫のように冷たく汗ばんでいる。
    気圧が上がる(雨が降った後に晴天になる)と症状が重く出る。

施術方針
 肺腎を補い肝の流れを良くする。
 姿勢が悪いために首へ負担がかかるので姿勢を整える。
 首が圧迫されている部位の改善。
 
鍼灸治療
 1回目:・鍼灸治療の翌日だけ腰の脇腹が痛く、立っているとツッパリ感があった。
     ・頭痛、目の奥の痛みはなく、肩こりは変わらず。

 2回目:・頭痛、目の奥の痛みはなく、肩こりは1割ほど減る。

 3回目:・頭痛、目の奥の痛みは少しある、肩こりは半減。

 4回目:・雨の後の頭痛、目の奥の痛みは以前と同じくらいの辛さ、肩こりは同じ。 

 5回目:・雨の後の頭痛、目の奥の痛みはなし。肩は重い感じがある。
 
 6回目:・頭痛、目の奥の痛みはなし。肩は少し重い感じがある。 

 現在も週に一回ほどの間隔で通っています。ちょうどが学校が始まったので脈の状態は少し悪くなっていますが、本人の訴える症状は肩が凝る、重いという症状のみです。起床時の頭痛と目の奥の痛みはないとのことです。
 手足の冷えも改善されていましたが、最近、足の冷えが少しあります。

結語
 鍼灸治療1回目の腰の痛みツッパリ感は、姿勢の変化によるものと思われます。初診で椅子に座るとき腰を丸く曲げて(へそを覗き込むような姿勢)だったのが、2回目の時はまっすぐ座っていたので、背筋を伸ばす時に筋肉を自然に使ったので筋肉痛の痛みと筋肉が引っ張られてツッパリ感が出たと思います。
 家族からのお話ですと食べる時の姿勢も良くなったとおっしゃっていました。ただ、本人の自覚はありません。